日本語教師養成講座の費用は平均50万円から60万円が相場です。通信やオンラインを選べば5万円から10万円安くなる場合もあります。教育訓練給付金を使えば最大10万円の支給も受けられます。本記事では、費用の内訳や安く受講する方法を詳しく解説します。ぜひ最後までご一読ください。
養成講座にかかる費用
まずは日本語教師の養成講座を受講する際の費用の全体像を把握しましょう。受講料、入学金、教材費など、どのような内訳があるのかを理解することが大切です。
受講料の平均は50万円
日本語教師養成講座420時間コースの受講料は、平均50万円から60万円となっています。多くの養成講座では、受講料が50万円台に設定されているケースが多く見られます。
たとえば、あるスクールでは受講料が54万5,600円、別のスクールでは55万円といった価格帯が一般的です。ただし、スクールによっては40万円台の比較的安い講座から、70万円を超える高額な講座まで幅広く存在します。
受講料が高いからといって必ずしも授業の質が良いとは限らないため、慎重に選ばなければいけません。また、検定試験対策に特化した講座の場合は10万円前後から受講できるものもあり、目的に応じて選択肢が分かれます。
入学金と教材費も必要
受講料とは別に、入学金や教材費がかかります。入学金は2万2,000円から3万3,000円程度が相場となっており、スクールによって金額が異なります。教材費については、2万4,000円程度かかるケースが多く見られます。
一部のスクールでは受講料に教材費が含まれている場合もあるため、総額でいくらかかるのかを事前に確認することが重要です。
また、実習用の教材や参考書を追加で購入する必要が生じる場合もあります。総額で考えると、受講料に加えて5万円前後の諸経費を見込んでおくと安心でしょう。
通学には交通費もかかる
通学形式の養成講座を選んだ場合、交通費も無視できない出費となります。420時間のカリキュラムを修了するには、通常6か月から1年程度の期間が必要です。
週に数回通学する場合、その期間の交通費は合計で数万円になる可能性があります。自宅から遠い場所にあるスクールを選ぶと、交通費の負担が大きくなるため注意が必要です。
通学にかかる時間や労力も考慮して、自宅や職場から通いやすい立地のスクールを選ぶことをおすすめします。
講座形式で費用は変わる
通学、通信、オンラインなど、受講形式によって費用が大きく異なります。自分のライフスタイルに合った形式を選ぶことで、コストを抑えることも可能です。
通学講座は60万円前後
完全通学形式の養成講座は、総額で60万円前後かかるケースが多いです。対面授業で講師から直接指導を受けられるため、実践的なスキルを身につけやすいという利点があります。
クラスメートと協力して練習を重ねることで、教師としての対応力も養えます。ただし、仕事や家事で忙しい人にとっては、決まった時間に通学する必要があるため負担が大きくなるかもしれません。
通学形式を選ぶ際は、自分のスケジュールに合った曜日や時間帯のコースがあるかを確認しましょう。
通信は5万円から10万円安い
通信講座を選択すると、通学形式と比べて5万円から10万円程度安くなります。eラーニングやオンライン授業がメインとなるため、スクール側は教室の維持費や講師の経費を削減できるからです。
自宅で学習できるため、通学にかかる時間や交通費も節約できます。仕事や育児と両立しながら資格取得を目指す人には、通信形式が向いています。費用を抑えたい場合は、まず通信講座の選択肢を検討してみると良いでしょう。
オンラインの特徴と注意点
オンライン形式の養成講座では、理論科目をオンラインで学び、実践科目は通学するハイブリッド型が主流です。文化庁の基準により、120単位時間以上の授業を対面または同時双方向のメディアで実施する必要があるためです。
完全オンラインで修了できる講座は限られているため、実習部分でどの程度通学が必要になるのかを事前に確認しましょう。オンラインライブ授業では、講師やクラスメートと双方向にやり取りできるため、一人で学習する孤独感を軽減できます。
録画された映像授業の場合は、自分のペースで繰り返し視聴できるという利点があります。
費用を抑える具体的な方法
養成講座の費用は決して安くありませんが、給付金制度や割引制度を活用することで負担を軽減できます。知らないと損する制度をしっかり確認しましょう。
教育訓練給付金を使う
厚生労働省の教育訓練給付金制度を利用すると、受講料の20パーセント、上限10万円が支給されます。雇用保険に1年以上加入していれば、初めて利用する場合は対象となる可能性が高いです。
受講料が50万円以上の講座であれば、上限の10万円が戻ってきます。給付金を受け取るには、養成講座を修了した後にハローワークで申請手続きが必要です。
ただし、すべての養成講座が対象というわけではなく、厚生労働大臣が指定した講座に限られます。受講を検討しているスクールが給付金対象かどうか、事前に確認しておきましょう。アンケート調査では、約半数の人がこの制度を知らなかったという結果も出ています。
割引制度を利用する
多くのスクールでは、独自の割引制度を設けています。説明会やセミナーに参加すると受講料が10パーセント割引になる場合があります。また、早期申込割引や複数講座のセット割引を実施しているスクールも多いです。
友人紹介制度を利用すると、紹介した人と紹介された人の両方が割引を受けられるケースもあります。各スクールのホームページやパンフレットで割引情報をチェックして、積極的に活用しましょう。
求職者支援制度も選択肢
再就職や転職を目指す人は、ハローワークの求職者支援制度を利用できる場合があります。この制度では、月10万円の給付金を受けながら無料で職業訓練を受けられます。
日本語教師養成講座が職業訓練として実施されている地域もあるため、最寄りのハローワークに問い合わせてみると良いでしょう。受給には一定の条件を満たす必要がありますが、費用を大幅に抑えられる可能性があります。
分割払いで初期負担を軽減
一括で受講料を支払うのが難しい場合、分割払いに対応しているスクールもあります。日本政策金融公庫の教育ローンを利用できる講座もあり、低金利で長期返済が可能です。
クレジットカードでの分割払いを受け付けているスクールもあります。初期費用を抑えたい人は、分割払いの選択肢があるかどうかも確認してみましょう。
ただし、分割払いを利用すると手数料がかかる場合があるため、総額でいくらになるのかを計算しておくことが大切です。
まとめ
日本語教師養成講座の費用は、通学形式で50万円から60万円が相場となっています。通信やオンラインを選べば5万円から10万円程度安く抑えられます。教育訓練給付金制度を利用すれば、上限10万円の支給を受けられるため、実質的な負担を大きく減らせるでしょう。各スクールの割引制度や求職者支援制度も併せて検討しましょう。費用だけでなく、講座の質や通いやすさ、就職サポートの充実度なども比較して、自分に合った養成講座を選ぶことが大切です。
